作者より・・・(5)
お伽話とか、童話、物語は、子供の心を育てるといわれてきました。
子供の心に、夢を育てたり、世の中のことを象徴的に理解させ周りを思いやる気持ちを喚起したりするのに効果があるそうです。
ところが、この何十年かの間にテレビが普及し、アニメが溢れるようになって、私達は自分の心の中で物語を想像しないでも映像を見て楽しめるようになりました。
当初は、絵本の主人公が動きだしたりストーリーが展開されるという、夢が目の前に現われたような感激を味わえたのですが、これが当たり前になってしまうと、当然、与えられた情景を見ることだけで満足し、想像したり自分で考えたり夢を描いたりすることが疎かになってしまうでしょう。
知識を得るためには、映像のような視覚情報は効果絶大ですが、自らの心を育むという点からすると、絵本など文字や絵の書物のほうが効果があるように思えます。
そんなこんなで、私が「だるまん&すのーまん」を制作しようと思ったときに、最初は旬のウェブアニメにしようと考えたのですが、しばらくするうちに、これは静止画のマンガから始めたほうが良いかもしれないと思うようになりました。 このシリーズの目的が、「心を育む“言葉”を中心としたマンガ」ですから、ご覧になられたかたが、ご自分の心の中でいろいろ考えられる作画方法を選ぶべきだと思ったわけです。


2007.12.14
