作者より・・・(26)
雪が降る・・・
私は東京育ちなので、子供の頃たま〜に雪が降ると嬉しくて、はしゃいで雪の中を走り回ったものです。もう、一日中走って歩いて、気がついたら家からはるか遠くの街にいた思い出もありますねえ〜。
一方、南極探検の物語とかも好きで、その中にあるスコット隊の遭難全滅の悲劇を読んで、「雪も吹雪や極寒の中の大量の積雪は怖いものだな」と想像したものです。
その後、私も大きくなって、蔵王や雪深いところにスキーに行きましたが、そこらじゅう背丈より高く積もった雪を(まあ、場合によっては2階の窓よりも高く積もっている雪を)連日見ていると、なんとなく圧迫されて息苦しさを感じました。
雪って、積もるときは「あっ」という間に積もるんですよね。これが北国だったら毎日雪が降り続くわけですから、何もかも雪に埋まって、これを除雪するのは大変な作業だと思います。
近頃はゲリラ豪雪とか暴風雪が増えてますから、北国の人は命がけで生活することが多いのではないかと、ほんと心配ですよ。…これは日本だけではなく、私が昔、勉強に行った米国のバファローという街(全米で最も雪が多い所の一つ)も何10年か昔、長い間−40℃以下になって物凄い積雪に襲われ大勢の凍死者(&餓死者)を出したそうです。
だいたいニューヨークってのは宮城県から北海道の十勝あたりの緯度ですから、ニューヨークシティー(マンハッタン)でも朝起きたら一面雪が積もってて慌てたことは何回もありました。
で、いろいろあるんですが、とにかく、雪って、何もかもをうずめつくして真っ白にしてしまうんですよ。そうすると、汚れのない世界が広がって、これがなんたって好きですな〜私は。
純白=清く美しいってイメージがあるじゃないですか。
でもね、一見、汚れなく美しいけど、その下には何が隠されているかわからない。あるいはその真っ白な世界の陰には恐ろしいことや厳しい現実が隠れている。北国の日常生活にしても、スキーにしても、ましてや冬山登山などに至っては、準備万端整っていれば何ともなくても、ひとたび歯車が狂ったりルールを無視したりすると命にかかわる危険が隣にある。
まあ〜、これは雪に限ったことではなくて、世の中どんなに平和なときでもすべて同じなんだと、一見きれいなものが、怖ろしい現実を覆い隠す危険性に、ときどき気づかされますけどね。。。
2013.3.1
<< まえへ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 つぎへ >>
