作者より・・・(20)
私は、星空を眺めるのが好きなんですよ。夏でも冬でも、晴れた夜の果てしない大空に無数にきらめく星を見ていると、そこには私は絶対に行けないけれど、人間の知恵とか力では何もできない自然の確かな営みが目の前に展開していて、なんともロマンチックな気持ちになるではありませんか。冬のオリオン座やベテルギウス、シリウス、夏のアンタレスな〜んて、良いですよね〜!
星空を眺めて「宇宙飛行士になりたい!」と思う人もいますが、私の場合は自分がいかに小さいか、だけどこの無限に大きな世界の中に生きている一員でもある、確かに今は生きている(生かされている) といったことを感じるんですね。
それから、この大きな宇宙が生まれたこと自体が素晴らしい奇跡に思えるし、その中の地球に人類が生まれ、歴史を歩んで、世界を形づくってきたことが大変な奇跡に思えるのです。もちろん、その中に自分自身が生まれ生きていることが奇跡に感じられ、自分の意思や頑張りとは無関係に、ここに存在していることに感激しちゃうのです。
まあ、昔の人達は、このような自然と近い関係にあったから、この関係を「神との関係」として考えたのかもしれませんな。
それで、昔の人は星座を物語にしたりして、宇宙⇒神⇒星座(星)といった関係で生活の中に据えたのでしょう。…つまり、今の人間達に較べ謙虚だったのではないかと思っちゃうのですね。
現代の自然科学が進んだ世界の人間は、何でも科学で解明できると信じ、神とかは全く存在が希薄になってますが、これってちょっと傲慢だな〜と、星空を眺めていると感じるのです。だって、自分が生まれて存在していることを理論づけられないのに、自然界を理論的に説くって、矛盾してませんかねえ。。。
今の宇宙科学では、宇宙の誕生は137億年前のビッグバンだというのが主流ですが、どうしてビッグバンが起きたのかは解ってないようです。ビッグバン直後からの3分間(インフレーション)で滑らかな宇宙が形成されたんだそうで、それからの宇宙の経緯はかなり正確に理解が進んでいるそうですがね。ビッグバン以前には空間も時間も無かったとか、いや今の3次元ではなく11次元あったのが消去されたのだとか、宇宙には人間が知っている物質は4%しかなく、残りの96%は未知の暗黒物質や暗黒エネルギーだとか…。望遠鏡で見れること以外は解らないのでしょうなぁ。
結局「神は言われた。『光あれ。』 こうして、光があった」という旧約聖書の創世記1章に近い解釈に戻ってしまうように思えます。
人間は、そんなに賢くも偉くもないけど、でもみんなで何とか生きていけるのは有り難いことだ と、星空を見上げて感謝しながら、その世界を楽しんでるんですよ、私は。
2012.2.11
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